
国の重要無形民俗文化財に指定されている真桑人形浄瑠璃が行われるのは、物部神社境内真桑の人形舞台です。
しかし今年(令和4年)も新型コロナの影響で上演は中止となりました。

物部神社(本巣市)は、本巣市上真桑字本郷に鎮座している神社です、この地は現在存在しない物部郷があった所と云われている場所で、物部神社は郷の鎮守と推定され、平安時代に編纂された美濃国神名帳には従五位下物部明神と書かれて、古くから知られた神社だそうです。

江戸時代までは、境内に白藤の大木があった事から藤の宮と呼ばれたそうです、明治時代の神仏分離令を経て、明治6年(1873)に郷社に列し昭和20年(1945)に現在地に遷座しているそうです。
神社境内に建立されている法英寺観音堂は、江戸時代初期の正保3年(1646)に造営されたもので、木造平屋建て・入母屋・桟瓦葺き・平入・桁行3間・張間3間・正面1間向拝付き、内部に延宝4年(1676)に制作された厨子が設置され聖観音菩薩像が安置されているそうです。

江戸時代初期の御堂建築の遺構として貴重な事から法暎寺観音堂護摩堂及び厨子として昭和48年(1973)に岐阜県指定有形文化財に指定されています。
祭神は、物部十千根命(もののべのとおちねのみこと)水波能売神(みずはのめのかみ)天照大御神(あまてらすおおみかみ)応神天皇(おうじんてんのう)仁徳天皇(にんとくてんのう)倉稲魂命(うかのみたまのみこと)菅原道真(すがわらみちざね)熊野久須美神(くまのくすみのかみ)速玉男神(はやたまのおのかみ)となっています。

本巣市上真桑の本郷地区に古くから伝わる郷土芸能で、真桑文楽と呼ばれています、歌舞伎における地芝居のように浄瑠璃に合わせて演ずる操人形芝居で、年に一度氏神物部神社の祭礼に奉納上演されてきました。
真桑は、岐阜市の西方約八キロの地にあり、かつては真桑瓜の名産地でありました、この人形芝居は、当地方の灌漑用水に功労のあった福田源七郎の亡魂を弔うために義民源七郎を演じたのに始まると伝えられております。

この人形芝居はいわゆる三人遣いの人形浄瑠璃であり、文楽の影響を受ける前からこれが行われていたことを示す伝承があります。
文献にのみ名を残すカシラを現に所蔵し、文楽ほか他の地域では上演できなくなった外題を有し、さらに野外の舞台(専用舞台)で上演してきていることから演技演出に大振りなところがあるなど、人形芝居の変遷を知る上で貴重であり地方的特色もあります。

文化的価値も高く地方的特色もあることから、昭和59年1月21日付けで国の重要無形民俗文化財に指定されました。
人形浄瑠璃を上演する際に使用されている真桑の人形舞台は棧瓦葺・切妻・平入りの建物で、回り床・田楽返し・三段返し等の農村舞台機構は全国的に珍しく貴重であることから、昭和50年9月3日付けで国の重要有形民俗文化財に指定されました。

そして今回(令和4年)真桑人形浄瑠璃が3年振りの上演があります、物部神社ではありませんが8月20日に本巣市民ホールで行われます。
物部神社(本巣市)は、樽見鉄道モレラ岐阜駅、南西徒歩約15分。

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