
岐阜県大垣市は、「水の都」と呼ばれるほど豊かな地下水に恵まれた街。その清らかな水を活かして生まれた夏の名物が、「水まんじゅう」です。つるんとした見た目、透き通る生地、そしてのど越しの良さは、暑い季節にこそ味わいたい和菓子の傑作。大垣の夏には欠かせない存在として、今も地元の人をはじめ多くの人々に愛され続けています。
透明な生地の秘密

水まんじゅうの最大の特徴は、宝石のように透き通ったぷるぷるの生地。その正体は、「葛粉(くずこ)」と「わらび粉」を原料とした和菓子独特の製法にあります。とくに本葛(吉野葛)やわらび粉を使ったものは、繊細でなめらかな舌触りが魅力。生地を蒸してから、冷たい地下水で急冷することで、透明感が生まれます。
この冷却の工程こそが、大垣の水まんじゅうの命。水温の安定した清らかな地下水が、雑味を取り去り、まんじゅうに一層の涼味を与えてくれるのです。
中に包まれる“夏の涼”
水まんじゅうの中には、伝統的な「こし餡(あん)」が入っていることが多く、これはしっとりと炊き上げた小豆を裏ごししてなめらかに仕上げたもの。生地の涼やかさに加えて、上品な甘みのあんが舌の上で広がります。
近年では、抹茶やゆず、梅など夏らしいフレーバーを加えた変わり種や、季節の果物を使った「フルーツ餡」も登場し、若い世代にも人気を集めています。冷やして食べるだけでなく、氷水に浮かべて提供するなど、見た目にも涼やかな提供スタイルが、大垣らしい夏の風物詩として広がっています。
水まんじゅうは“文化”

大垣の水まんじゅうは、単なるお菓子ではなく、地域の風土と生活に根ざした「文化」といっても過言ではありません。豊かな水と、職人の技、そして人々の暮らしのなかで育まれたこの和菓子は、現代においても夏の風物詩として進化を続けています。
ひとくちで涼を感じられる水まんじゅう。この夏はぜひ大垣を訪れ、その味と物語を、五感で味わってみてください。
レッツぎふで人気の水まんじゅうを食べるならおすすめスポット
住所:大垣市郭町1-61
ジャンル:和菓子、喫茶・軽食、洋菓子
住所:大垣市高屋町1-17
ジャンル:和菓子、甘味・和スイーツ
住所:大垣市俵町39
ジャンル:和菓子、洋菓子
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