[心理学&カウンセリング]トピック詳細

タイトル ホンネとタテマエ(2009年03月01日)
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本文 今回は【本音とタテマエ】についてです。

精神分析の研究で著名な岸田秀氏が、著書『二番煎じ ものぐさ精神分析』
で、こう述べられています。

---------------------以下引用文

世の中はタテマエで動いている。親は子を愛していることになっており、子
は親に感謝していることになっている。学生は教師を尊敬することになって
おり、教師は女子学生に性欲をもってないことになっている。友人は助け合
い、官吏は高木として国民のために尽くし、新聞は真実を報道することにな
っている。

タテマエはしばしばホンネと食い違う。この場合、タテマエは欺瞞であり、
そんなものはかなぐり捨てて、ホンネ通りに、人間のありのままの真実に忠
実に生きればいいと言い切れるほど、事態は単純ではない。

本当を言えば、親だからと言って、子に愛情をもてるとはかぎらない。馬鹿
な教師はいっぱいいるし、尊敬しろと言っても無理だ。美人の女子学生を見
れば、教師だって性欲を刺激される。ホンネ通りに行動すれば、つい邪魔な
赤ちゃんは殺してコインロッカーへということになる。

これは極端な例としても、人間関係はある共通のタテマエをたがいに守ると
いうことで成り立っている部分が大きいから、タテマエが崩れれば、人間関
係は崩れる。

そもそも、人間を信頼するということが、相手がそのタテマエに忠実に行動
すると信頼することであって、何やらよくわからぬそのホンネをいつむき出
しにするかもしれない人とは安心してつき合えない。。

女性は、産婦人科医が、患者の病気を正しく診断し、最善の治療を施すとい
う医師としてのタテマエを守ると信頼しているから、その身体をさらすので
ある。

かと言って、いつもタテマエ通りに行動していたのでは、窮屈でとても辛抱
できるものではない。ホンネを抑えつけ過ぎれば、いつかは必ず爆発する。

--------------以上引用文


岸田氏の、心の奥底の部分をわかりやすい例えを使っての記述は流石という
ほかありませんが、実際にカウンセリングをしていると、この問題に突き当
たります。

このタテマエを必死になって守ろうとしている人が、心の病にかかってしま
うことが多いんですね。

周囲の『何やらよくわからぬそのホンネをいつむき出しにするかもしれない
人』に翻弄されてしまい、動きが取れなくなってしまうんです。


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さて、僕のカウンセリングは、或る意味『ワガママの勧め』とも言えます。

上記のようなタテマエで頭の中がいっぱいになっている人に、『ワガママ(
ホンネ)というものは、有ってもいいんだ!』と気付いてもらうんですね。

だって、【気付いて初めて、タテマエとホンネのバランスを考える】ことが
できるんですから。

よく、いろいろな人に『ワガママを勧めて、その人が本当にワガママになっ
ちゃって社会的にまずい立場になったらどうするの?』と聞かれることがあ
りますが、なったなった時でいいんです。

ワガママを言い過ぎて、人から怒られたりして、そして初めて【タテマエと
ホンネのバランス】がわかるんです。

『ホンネを絶対言ってはいけない』というスキーマ(枠組み)に縛られてい
る人が、そのバランスをとれるワケがないのですから。

『ワガママは言ってはいけない』というビリーフ(思い込み)は、合理的で
はありません。

『通らないワガママは言ってはいけない』んですね。


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