[心理学&カウンセリング]トピック詳細

タイトル 「安定」と「刺激」のバランス(2009年02月07日)
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本文 『ホメオスタシス』
この言葉、日本語では恒常性維持とか言われています。


簡単に言うと「バランスが崩れたら自動的に元に戻す」という事です。(注)

例えば、水分が足らなくなった→喉が乾く→水を飲む、ということがそうですね。

水分不足という不均衡を水を飲むことで均衡状態に戻す・・・
これをホメオスタシスって呼んでいるのです。

この考え方は「心」にもあてはめられました。
確かに人って、安定を好み、変化を避けたがる傾向ってありますよね。

人の毎日の行動パターンというのは、その人が思っているよりもずっと変化は少ない・・・と言われていますし。 


(注)難しくいうと、均衡した状態を維持する傾向・・・となるのですが、「原状回復機能」とか「安定した状態を守る機能」とも言えます。
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ところが、この考え方では説明できない実験をヘッブという人が、1951年に行いました。

それは、感覚遮断実験というもので、被験者はゴーグルや特殊な枕などの器具を使い、見えない・聞こえない・感じない・・
という状況におかれるのです。

理屈としては(生物的に)安定した状況ですし、バイト代がかなり高額だったので、いろいろな学生が参加したのですが・・

・・・なんと、この状況に3日以上耐えられる人はいませんでした。

この実験などから内発的動機というものの研究が発展していったのですが、堅苦しい話はさておいて(・・といっても、もう
充分堅苦しい話になっちゃっていますが m(_ _)m )

要は人間は「安定」と「刺激」の両方を求める、という事がわかったワケです。

 さて、なぜこんな話を長々としたかというと、「健康な心」というのは、この「安定を求める心」と「刺激を求める心」をいかにうまくコントロールできるかにかかっているからなのです。


安定を求めすぎると、どんどん引っ込んでしまったり、外部に追い詰められたりしがちですし、刺激を求めるのも、良い刺激ならいいのですが、悪い刺激欲求に飲み込まれると大変危険です。(注2)

また、安定と刺激のバランスもとっても大事なんですね。
安定ばかり追いかけていると、刺激不足でトラブルやハプニングが起きる場合もありますし(恋愛などでよく起こりがちです)、刺激ばかりで安定がないと心の病気になってしまいます。


「安定」と「刺激」・・・。
自分の今の生活で、バランスはとれているかどうかのチェックをしてみるのは、とっても大事なことです。


(注2)例えば暴力のビデオを見すぎると、暴力に対して肯定的な子供が育つというデータがあります。


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