去る3月11日、東日本大震災から7年目を迎えた。被災地を含めた日本各地では自主防災組織などによる防災訓練が行われ、多くの地域住民が参加。避難経路や家族との連絡手段を再確認するなど、様々な思いを胸にして万が一に備えた。このように社会全体が防災意識の高まりをみせるなか、合わせて注目したいのが食物アレルギーだ。
食物アレルギーがある子どもの数は年々増えており、文部科学省の発表では、2013年の時点で9年前と比べて1.7倍に増加していたという。また、厚生労働省の調査でも全国民の3分の1が何らかのアレルギー疾患に罹患していることも判明している。
もはや一部の問題ではなく、より多くの人が認識すべきだが、災害時における食物アレルギーへの対応は充分とは言い難い。各自治体によって差が生じており、また、アレルギーに対応した備蓄食品の認知も不完全であるという。実際に避難所で暮らす子どもが保護者の目の届かないところで貰った食べ物を口にしてしまい、ショック症状で救急搬送されるなどのケースがみられた。かといって保護者からは「善意で食べ物を頂いたり、炊き出しの際に原材料を細かく聞くのは気が引ける」といった声も上がる。
せっかく助かった命が、命を繋ぐはずの食物で危険にさらされてはならない。
そこで注目したいのが、アレルゲンフリーの備蓄食品だ。
各務原市『米SweetS(マイスイーツ)』。乳製品・小麦を含むアレルギー物質26品目不使用のシフォンケーキや、卵・乳製品・小麦を含むアレルギー物質27品目不使用のクッキー・ラスク・ケーキなど、アレルギーを持つ方が安心して、そして美味しく頂くことのできるスイーツの製造・販売を行っている。
「アレルギーを持つお子さまが、まわりのみんなと同じおやつを美味しく食べてほしい」――その思いが『米SweetS』の原点だと代表の平田妙子さんは話す。
米粉は岐阜県産ハツシモ100%、さらに砂糖や油にはてんさい糖や米油を使用。安全であることは絶対として、子どもが食べて「美味しい!」と言ってくれる味を目指した。ほかフレーバーの素材にもこだわり、広島の無農薬レモンなど国産の中でいいものを厳選しているほか、各務原のニンジンや上之保のゆずなど、馴染みのある地元の特産品が並ぶ。健康志向の方やダイエット中の方、「子どもに安全なものを食べさせたい」という保護者からも好評を得ているという。
そんな同店が「災害時にアレルギーを持つ方が安心できる備蓄食品がほしいと」いう声を受けて開発したのが、お米のクッキー「米ッキー」と、同じくお米のラスク「米ラスク」だ。どちらも卵・乳製品・小麦を含むアレルギー27品目不使用で、クッキーは5年、ラスクは3年もつ。商品は通販のほか店頭とイオン各務原店・大垣店で販売しているほか、県外ではニッコリーナ(東京駅 丸の内側)や関東圏のカルディコーヒーでも一部商品をお買い求めいただける。
備えあれば患いなし。岐阜から発信された備蓄食が、いま注目を浴びている。
コメントを残す